ブランド紹介
About Brand

生地の糸、一本一本の芯まで染料を染み込ませ染め上げる注染は、自然なボカシと繊細な色彩がええでしょ。くっきりとした色柄のプリントとは違うけど、いつまで見ても飽きるもんとちゃいます。使い込むほどに風合いと色彩が変わるんです。
そんな注染ならではの味わい、たくさんの人に知ってもらいたい。そして独特の色彩、風合いを出すために、こだわって手仕事に向き合う職人がおることを知って欲しいんです。今まで、注染を知らんかった人にも、私らのこだわりと、上質の手仕事を知ってもらいたい。そんな思いから生まれたのが、左海壷人です。

(左)株式会社 北山染工場 北山 雅啓 代表取締
(中央)株式会社 協和染晒工場 小松 隆雄 代表取締
(右)株式会社 西川由染晒工場 西川 由紀 代表取締

明治時代中期に生まれた注染。ここ、大阪・堺の毛穴地区にはかつて50軒以上もの工房が密集して、一大生産地として賑わっていました。それが今はたったの4軒。そやけどみんな、昔ながらの技術を受け継いだ職人らが集まって、丁寧なものづくりを続けています。今も昔も、なんにも変わってへん。そんな大阪・堺から、注染の存在感を発信します。

注染て言うたら、昔は手ぬぐいや浴衣なんかで誰にでも使てもらう日常の布やってん。そやから、毎日使っても色落ちしにくい、使い込むほど自然にこなれる色彩が注染の魅力やったんです。それをもっと広く、たくさんの人に知ってもらいたい。それにはどうしたらええか。集まってしゃべるうちに、「もっといろんなカタチで発信せなアカンで」っていうことになりましてん。今のライフスタイルに合わせた雑貨やら、若い世代が普段使こてるもん、使いたいと思ってもらえるものにせなアカン。

そんな話をきっかけに、左海壷人をスタートしましてん。こだわりのものづくりをテーマにした、注染ブランドです。三人寄れば文殊の知恵やね。ハンカチひとつつくるのにも、フチの加工にこだわったり、糸にこだわったり。普段はどないしたらうまいこと染められるかばっかりにこだわってたけど、こんどはそれをより光らせるために知恵を絞ってね。ひとりで考えるより、こだわりも強くなるんです。ちょっとした細部まで、とことんこだわりをぶつけ合って、エエもんが生まれました。 私ら気質は職人。ものをつくって、お客さんによろこんでもらうのがいちばんうれしい。 品物も、職人も知って欲しい。頑固にこだわりをもってものづくりをする姿勢を知ってもらえるように、いろんなカタチに仕立てて発信していきたい。

注染でいちばん難しいのは色づくり。わずか数色の染料を混色して、無限の色をつくり出さなアカンのです。染料の混ぜ方や微妙な配合、温度や気候によっても、仕上がりの色は変わってしまうから、マニュアル化できへん。職人ひとりひとりが独自に編み出した技とかコツがあるんです。職人はみな、経験とセンスが求められたんです。何より、意匠どおりの色を出そうというこだわりを持ってた。

昔はその染料を壷で混色してたんです。そやから職人のことを壷人と呼ぶんです。「壷人」と名づけたのは、そのこだわりを持ち続ける職人気質を伝えたかったから。壺を赤にしてもろたんは、その職人のこだわりと熱い想いを伝えたかったから。かつて明治時代から昭和はじめにかけての全盛期から、今もなお日本の一大生産地として、全国各地からたくさんの注文を受けているのは、堺の注染技術がすぐれているからだと自負してます。どんな仕事も丁寧にして、それだけの自身があるからね。だからブランド名にも「さかい」の文字を入れてもろてん。注染いうたら、品質の良い堺の職人技を思い出して欲しいから。